2024年正月早々、大事故発生!
羽田空港C滑走路に着陸した新千歳空港発日航516便が海保機に激突、炎上というあり得ない事態に、オドロキマシタ!
報道各社が羽田空港滑走路のライブカメラでリアルタイムで炎上が中継されるという...
中でもNHKは衝突の瞬間から、炎上、日航機が停止するまで完全に捉えているという大スクープ!
とにもかくにも、何の落ち度もない旅客機の乗客が全員助かったことは、よかったです。
その陰に、日航の乗務員のみなさんとその乗客の冷静な対応があったこと、敬意を表します。
■海保機が着陸直前の日航機の目の前に突然進(侵)入
NHKの映像では、
・着陸の瞬間に閃光。
・炎は日航機の機種部分から滑走中途切れなく燃え続け。
・日航機の主翼とエンジンには炎は見えず。
で、日航機が停止し消火活動中の映像では、
・(前脚が折れて?)前のめりの状態。
・胴体下の主脚は無事。
・左翼のエンジン前端部に衝突痕。←破損の形状と高さから、海保機水平尾翼と衝突。
が映っていました。
翌朝のニュース映像では、
・日航機はC滑走路の右側の緩衝地帯で停止。
・日航機の両翼は炎上痕もなく元の形で残っていた(=主翼への激しい衝突はない)。
・胴体部分も燃え落ちているとはいえ、元の形状をとどめていた。
ということがハッキリわかりました。
これらのことから、日航機が海保機の上もしくは後ろから激突した、ことは間違いなし。
事故の発生までの状況は以下で確定(^^)
・日航機がC滑走路に着陸態勢で降下。
・「なぜか」海保機がC滑走路へ左側から進入。
・C滑走路上の海保機の後部上方から日航機がかぶさるように接近。
・日航機は左から進入する海保機に気づき、とっさに右に避けようとした、
・もしくは、海保機が見えないまま着陸(機首を上げているので真下の海保機は見えない)。
・日航機機首から海保機に激突。
・海保機が爆発炎上。
・炎上した海保機残骸が日航機機首に密着したまま滑走。
・日航機がC滑走路の右側にそれて停止。
■管制指示と両機の交信記録と認識
当日深夜および翌日午後、日航本社および国土交通省から、
・日航の機長は管制からの「着陸許可」を聞き着陸した。
・国土交通省は交信記録で日航機には着陸許可を出していた。
・国土交通省は交信記録で海保機には離陸指示を出して「いない」。
・国土交通省は交信記録で海保機には誘導路で停止する指示は「出した」。
ことが公表されました。
一方、海保機の機長は、
・離陸指示を聞いた。もしくは、離陸許可を受けた。
と。
一般的に、旅客機の場合、
・操縦室内には2-3名の乗務員がいて、
・管制からの指示に対して交信者は復唱して確認、
・他の乗務員も交信内容を聞いている、
ので、交信内容を聞き間違ったまま、次の動作に移ることはあり得ません。
また、管制が着陸指示を出して実際に着陸するまでに8分以上時間があります。
なので、万が一、日航機が着陸指示なしで着陸しようとすれば、管制側が気付き、緊急指示をするはずです。
しかし、今回の場合、
・日航機側は着陸指示を受けた。
・管制から日航機に対して着陸指示した交信記録が残っている。
ことから、間違いなく、日航機へのC滑走路着陸指示があったことが証明されました。
なので、今回の事故の原因は、
・海保機の機長が管制との交信内容をちゃんと聞き取らなかった/理解できなかったから。
・海保機の機長が羽田空港の標識とルールを知らなかったから。
で確定ですね。
■海保機機長の経験値
原因の遠因として、海保機機長のスキルが低かったことは否定できないでしょう。
想像するに、羽田空港の超過密発着に慣れていない、地方空港所属だったとか。
海保機の機長は、
・C5停止位置は誘導路C5から出た滑走路上にある。
と思い込んでいたので、管制からの、
「taxi to holding point C5.」
を離陸許可と思い込み、滑走路に進入してしまったのでは。
これは、管制からの指示に対して、
・「...Thank you.」
とお礼を返していることから、すぐに離陸する気でいることがうかがえます。
さらに、海保機からの交信で、
・TOWER JA722A C.
と、動詞なしの名詞の羅列のみ、かつ、誘導路C5といういうべきところをC、と極端に省略にしている点も気になりました。
そもそも、これだけでは、海保機が今、
・誘導路を走行中なのか、
・誘導路で停止中なのか、
・誘導路C5にいること、
を表現しておらず、管制との意思疎通/状況伝達がヘタな印象を受けました。
離発着数が少ない地方空港では名詞の羅列だけでもなんとかなっていたので、それをそのまま超過密空港の羽田空港でやってしまった、というところでしょうか。
いずれにしても、海保機の機長に、
・C5停止位置はどこですか?
・離陸指示を受けたという根拠は?
と質問して回答してもらえば、すべてが明らかになると思っています。
おそらく回答は、
・C5停止位置はどこですか?→「誘導路C5を出たC滑走路上」
・離陸指示を受けたという根拠は?→「taxi to holding point C5.と言われたから」
でしょうね。
■参考-国土交通省公表の英語からの仮訳版交信記録
管制と両機とのやりとりのみ抜粋しました。
なお、管制と航空機のやり取りはすべて英語です。
17:43:02 日航機
「東京タワー、JAL516スポット18番です」
(同時刻)管制
「JAL516、東京タワーこんばんは。滑走路34Rに進入を継続してください。風320度7ノット。出発機があります」
17:43:12 日航機
「JAL516滑走路34Rに進入を継続します」
17:44:56 管制
「JAL516滑走路34R着陸支障なし。風310度8ノット」
17:45:01 日航機
「滑走路34R着陸支障なしJAL516」
17:45:11 海保機
「タワー、JA722A、C誘導路上です」
(同時刻)管制
「JA722A、東京タワーこんばんは。1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」
17:45:19 海保機
「滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう」
※この後、両機と管制との交信記録はないので、海保機が「無許可」で滑走路に進入したことになる。
繰り返しになりますが、何の落ち度もない旅客機の乗客乗務員から死者が出なくて、本当によかったです(^^)
以上です☆