■そのまま廃棄?
故障したDMR-XW51、後継機を購入したので、これからの録画手段は確保できた。
録画済みの番組はもうあきらめると覚悟したものの、見られるものなら...
ネットには...
個人による復活の事例も報告されているし、
非純正(笑)の業者による修理も出てるし、
ちょうど、都合よく、2日後は休暇だし、
取り敢えずバラシてみて、故障個所の目星がつけば何とかなるかも♪
ということで、買ってきた後継機DMR-2W101の結線と初期設定を終えてから、DMR-XW51のバラシを開始(^^)
■現象の観察
バラす前に、もう一度現象をよく確認してみた。
電源コードを装着すると...
- 前面パネルに「Please」と表示後、1-2秒後にぼんやり消えていく、を延々繰り返す。
- 背面の冷却ファンはピクリとも動かず。
- HDDのIPL音もせず。
- 耳を澄ますと「Please」 の表示と同時に小さな「カチ」という音が聞こえる。
一般的に、電源を入れると初期チェックが始まるが、そこに至る前に、電源供給が断たれているような挙動が見られることから、電源供給がうまくいっていない可能性を疑った。
以前、PCの電源が壊れた時、通電して数秒すると電源が落ちるという今回と似たような挙動だったので。
バラシてみて、電源部とわかるような機器構成で、その原因の部品が特定できれば...
■本体カバーを外す
外観を観察すると、上面カバーはコの字型、両端が底面に噛み込んでいる構造。
デスクトップPCと同じような構造なので、ネジを外せばカンタンにスライドできると判断。
ということで、プラスドライバーを使って...
- 左右側面にある黒いネジ各1本(全2本)を外す。
- 背面左右と中央部上部にあるネジ各1本(全3本)を外す。
カバーを背面方向へスライド...と思ったら冷却ファンがジャマ^^;
- 冷却ファンの対角にあるネジ各1本(全2本)を外す。
- 冷却ファンの左上/右下のツメを押し込んで外す。
冷却ファンのコードはつながったままにして、カバーをゆーっくり後方へスライド。
若干引っ掛かりがあるが、そーっとスライドを続けると、部品たちがお目見え(^^)
ちなみに、引っ掛かっていたのは、2センチ四方、厚さ3ミリほどの黒いジェル状のシール。
100円ショップとかで売っている何度もはがせる耐震用シールと同じもの。
たぶん、カバーがHDDに当たらないよう、スキマを確保することが目的。
現れた内部を背面方向から見ると、以下のような配置だった。
▼左半分1階-背面から前面まで
- 電源コードの差込口がつながっている逆L字形の基板が左半分を占める。
- コンデンサと電磁コイルなどが多数配置されているので、電源系基板と思われる。
▼左半分2階-前面から背面までの半分ぐらい
- HDD2台が並んでマウント金具に装着され、電源系基板を覆うように固定。
- HDDはIDE3.5インチ500GB。
▼中央から右半分1階-背面から前面までの半分ぐらい
- 入出力ポート用モジュールの壁。
- モジュールが接続された基板で、パソコンだとシステムボードと思われる。
▼背面の中央部2階
- 冷却ファンコネクターの接続先。
- HDMI端子が配置。HDMI基板。
- 映像処理チップらしき部品が装着された基板で、パソコンだとグラフィックボード。
▼右半分2階-前面から背面まで半分ぐらい
- DVDドライブがマウント金具に装着され、システムボードを覆うように固定。
- DVDドライブはIDE。
▼前面の中央部1階
- システムボードとコネクタで垂直に接続。IDE電源基板。
- HDDとDVDドライブへの電源コードが接続されている基板。
...写真は敢えて掲載しません(笑)
■原因らしきもの発見!
幸い、背面側一番手前が電源系基板だったので、さっそく目視開始(^^)
すると、2つ並んだ大きめの電解コンデンサに、茶色の液漏れのような痕跡が!
その痕跡にはホコリもたまっておらず、表面に光沢もあり、最近生成されたような感じ。
また、ざっと見た感じ、他の部品には異常は見当たらず。
これら2つの電解コンデンサ破損が原因と仮定。
で、これを交換するには、
- ハンダを溶かして引っこ抜き、同じ電解コンデンサーをハンダ付け 。
- ハンダ付けするには、電源系基板を取り外す必要あり。
となる。
■電源系基板を外すまでの道のり
多層構造のため、電源系基板を取り外すには次の順に部品を取り外す必要あり。
- 冷却ファンコネクタ
- 前面パネル
- 背面パネル
- IDE電源基板
- DVDドライブマウンター
- HDDマウンター
- DV端子基板
- HDMI基板+台座金具
ネジの本数が半端じゃないので、ネジを外す前に写真を撮っておくとよい。
...今回、組み付け後、ネジが3本 手元に残っちゃったので(笑)
取り外し後、電源系基板を固定しているネジ(本数失念/6本以上)を外す。システムボードと接続しているツメ付きコネクタ3か所あるので、1か所ずつ極小精密ドライバでツメを浮かせ、左右に動かしながら引き抜く。
- ツメはとても折れやすい構造なので、浮かすときに必要以上に広げないよう留意する。
- コネクタは遊びが少ないので、根気よく少しずつ持ち上げるとよい。
- ツメが折れても、上記の通り、コネクタの密着度が高いので、問題ない。
前面のスリットから基盤をずらし、背面側を持ち上げて手前に引き出して持ち上げ、取り外す。
■よくよく見ると他の電解コンデンサにも異常?
液漏れの痕跡があった電源系基板をようやく取り出せた。
で、あらためて、他の電解コンデンサを見回してみると、異常っぽい痕跡が散見。
- コンデンサ上面が気持ち膨らんでる。
- 濡れた痕跡があるがすっかり乾いている。
数えてみると、7か所5種類ほど。
ただ、これらは最近できたものではないように見受けられたので、おそらく原因ではない。
最初に目に入った2つの電解コンデンサが原因と仮定しているが、念のため、部品手配の対象として注文はしておく。
■部品発注
翌日、いくつか販売サイトを見てみたが、一番探しやすかったモノタロウで発注した。
また、15時までに発注すれば、当日発送手配なので、関東圏は翌日届く点もよきこと(^^)
ただ、2種類は欠品だったので、発注できず。
これらが原因でないことを祈念(笑)
■部品受取と交換
発注の翌日、休暇で家にいた午前中早めの時刻、クロネコから受領。
開梱して壊れていた電解コンデンサーと同じ、200V 220μF 2個を取り出し。
購入品の高さが故障品の高さより5ミリほど高いことに気づいた。
ただ、高さが多少高くても、組み付け上、何の問題もない。
ハンダごてとハンダ吸収線で故障したコンデンサのハンダを取り除き、引き抜こうとするも、なぜか引き抜けず???
コンデンサを揺らすと、コンデンサの「足」も揺れたので、ハンダは取り除けている。
どうやら基板のコンデンサ辺りに発見済みの茶色の物体が、コンデンサ本体と基板を「接着」してしまい、引き抜けないと判明。
ドライバマイナスで茶色の物体を取り除き、ようやく故障した電解コンデンサを取り外した。
新品の電解コンデンサーを極性に注意しつつ、基板の+-表示に合わせ、ハンダ付け。
あとは、逆順にたどりつつ、途中で動作確認しつつ、作業を進めた。
動作確認は、本体内最低限の結線状態、で電源を投入してみた。
※基板も本体カバーもネジ止めしない状態で。
あれ、起動せずに、電源が切れる?
交換前と違い、
- 前面パネルの表示は「Please wait...」から色々な表示に切り替わる。
- エラーコード等、エラー内容を示す表記はなし。
と一歩前進(笑)
ひょっとして、仮組み付けで冷却ファンコネクタを装着してないから?
冷却ファンコネクタを装着して「録画一覧」を押したところ、アンテナ未結線(まだアンテナ線は接続せず)の表示。
もう一度「録画一覧」 を押したところ、再生リストが表示された♪
復活(^^♪
ふーん、冷却ファンの故障もチェックしてんのね(^^)
電源を切り、電源コードを引き抜き、基板等をネジ止めして、元通り結線。
前面/背面のパネルと本体カバーを装着し、冷却ファンを装着して組み戻し完了。
電源を入れ、再生リスト一覧から番組を再生できた♪
■無事復旧
仮定していた原因が的中。
取りだめた番組も徐々に消化中。
あー、よかった♪
■補足-電解コンデンサの特定
電解コンデンサは以下で識別する。
これらの値に合致する電解コンデンサを探して購入可能。
なお、それぞれの意味は深く知らなくても大丈夫(^^)
電圧:コンデンサ本体に印字してある「V」の前の数字。例:25V、200V。
静電容量:コンデンサ本体に印字してある「μF」の前の数字。例:100μF、220μF。
耐熱温度:コンデンサ本体に印字してある「℃」の前の数字。例:105℃。
取り付けタイプ:基板に取り付けるいわゆる「足」の形状。基板に直接ハンダ付けされていれば「スルーホール」、コネクタに装着されていれば「自立式」。
- 「スルーホール」は「足」を基盤の穴を通して基板裏側にハンダ付けする。
- 「自立式」は電解コンデンサを基板上のコネクタに装着する。
▼電圧200V 静電容量220μF 耐熱温度105℃の例
■参考-冷却ファンコネクタの取り外し
ツメはなく、ゆっくり、優しく、根気よく左右にこじると、外れる。
■参考-前面パネルの取り外し
ツメ6か所を外し、ゆっくり水平に引き抜く。
ツメはとっても折れやすそうな造りなので、そーっと優しく、最低限の引き上げて外す。
■参考-背面パネルの取り外し
背面に見えるネジはすべて取り除き、側板とかみ合っているツメを外に拡げつつ、側板を内側に押し、取り外す。
左右同時に外すのではなく、片方ずづ外す。
ネジは2種類あるので、4つしかないネジの場所を記録しておくとよい。
■参考-IDE電源基板の取り外し
別の基板にツメ付きコネクターで装着されているので、精密ドライバマイナスを使ってツメを広げつつ、引き抜く。
引き抜いたら、DVDドライブ用電源コネクタを引き抜く。
なお、コネクタは小さなツメ2個所で引っ掛かっている。極細精密ドライバマイナスをコネクタの左右のスキマに交互に差し込んでツメを浮かせながら左右に動かすのを繰り返し、引き抜く。
■参考-DVDドライブマウンターの取り外し
底面に固定しているネジ4か所を取り外し、ゆっくり持ち上げて取り出す。
その際、基板に差し込んである緑色プラ板付きのフィルム状フラットケーブルを基板から引き抜く。
元に戻す際、このプラ板のテンションを利用して基板に差し込む仕組みなので、絶対に折り目を付けないよう注意。
■参考-HDDマウンターの取り外し
底面に固定しているネジ4か所を取り外し、ゆっくり持ち上げて取り出す。
その際、基板に差し込んである緑色プラ板付きのフィルム状フラットケーブルを基板から引き抜く。
なお、IDE電源基板とつながったままなので、引っ掛かって断線しないよう注意。
■参考-DV端子基板の取り外し
電源系基板とコネクタで接続されているので、ゆっくり左右に動かしながら引き抜く。
コネクタにツメはない。
■参考-HDMI基板+台座金具の取り外し
台座に固定されているネジを外し、底面の基板と接続しているコネクタをゆっくり左右に動かしながら引き抜く。
台座もネジを取り外し、取り出す。
■参考-電源系基板の取り外し
電源系基板はネジを外しても取り外せない。
筐体前面側の切り欠きに噛んでいる基板の突起部分を右へスライドすると、外れる。
■参考-使った道具類
・プラスドライバー
・精密ドライバーマイナス極小(コネクタを外すときに使用)
・ハンダごて(電子工作用の普及品)
・ハンダ吸取線(電解コンデンサーのハンダを除去するときに使用)・ニッパー(ハンダ吸取線のハンダを吸着した部分を切り離す)
・ハンダ(普通の鉛入りハンダ)
・2cm厚の雑誌とかB5ぐらいの木片とか(前面パネル下側ツメを外すときにあると便利)■免責
あくまでも個人の趣味で実施したことを書き留めたものです。
参考になりましたら幸いです。
同様のことを実施した結果(損害/破損/出火/等)は自己責任ですので念のため(^^)
以上です☆
2021/09時点の情報。