iOS8とMVNOの相性の悪さ、原因と対策がわかったみたいですね(^^)
iOS8の不具合は、
・au系MVNOでは、データ通信ができない。
・docomo系MVNOでは、データ通信専用SIMで、LTEになかなかつながらない。
です。
解明したのは、IIJ。
IIJは、IIJmioブランド(docomo系のMVNO)を展開しています。
■ドコモ系MVNOでの挙動
記事によると、iOS8が、IIJのデータ通信用SIMで回線接続する際、電波を拾うと、
(1)LTEが使える場合、LTE経由で認証サーバにログインを試み、成功するとLTEで通信開始。
(2)(1)ができない、または、失敗した場合、3G経由で認証サーバにログインを試み、成功すると3Gで通信開始。
(3)(2)から12分後、LTE接続を試行する。
という処理が繰り返し実行されているそうです。
なお、認証サーバの情報は、IIJが用意したプロファイルに記述されており、事前に利用者がIIJから入手してiPhoneへインポートしておく必要もあります。
問題は、(1)の処理。
LTEが使えるので、IIJ用プロファイルに指定されているIIJの認証サーバへのログインを試行するはずなのに、なぜか、ドコモの認証サーバ(*1)に強制接続されてしまいます。
つまり、プロファイルの指定が無視される、ということです。
(*1)正確には、回線の提供元会社の認証サーバ、です。mineoに当てはめると、auの認証サーバ、です。
当然、IIJ用のアカウントでは、ドコモの認証サーバにはログインできず、LTE接続できません。
LTE接続に失敗したので、(2)の処理に移り、IIJ用プロファイルに指定されているIIJの認証サーバへ接続してログインを試行するのですが、こちらは、指定どおりに動作し、IIJの認証サーバに接続してログインを試行するので、認証に成功→3G通信が開始されます。
そして、3G通信開始後、12分経過すると、LTE接続を試行します。
この試行時には、既に認証サーバへのログインは成功しており、ドコモの認証サーバに接続する工程はスキップされるので、LTE通信が開始される、という流れです。
なお、同じIIJのSIMでも、データ通信SIMではない、音声通話対応SIMとSMS対応SIMでは、ログインの挙動が異なります。
これらのSIMでは、まず、3Gでの接続を確立してから、LTEの接続を試行する、という挙動になります。
つまり、LTE接続を試行する際には、3G経由で認証サーバへのログインは完了しており、認証サーバへの接続を試行する工程が発生しない(=ドコモの認証サーバへ「誤」接続されない)ので、LTE接続に切り替わる、というわけです。
■au系MVNOでの挙動
これを踏まえて、au系MVNOであるmineoでの動作を追うと、現象が理解できます。
まず、データ通信専用SIM。
(1)により、mineoの認証サーバではなく、auの認証サーバに強制接続されるため、ログインが失敗します(=LTE接続できません) 。
(2)を試行しますが、au系MVNOでは、auの方針により3Gサービスは解放(提供)されていません。
ですので、通信できない、という状態に陥ります。
12分後、(3)が発動しますが、mineoの認証サーバへのログインが完了していないので、(1)とまったく同じ挙動となり(=auの認証サーバに強制接続され)、ログインに失敗...
以後、繰り返しとなり、いつまで経ってもログインできない=通信できない、という状況に陥るわけです。
一方、音声通話対応SIMとSMS対応SIM。
最初に3G通信を確立しようとしますが、3Gサービスは提供されていないので、LTE通信の確立しようとします。
しかし、mineoの認証サーバへログインしていない状態なので、auの認証サーバへ誤接続されてしまい、ログインに失敗します(=LTE接続できません)。
後はデータ通信専用SIMと同じ流れ(=繰り返し)で、いつまで経ってもデータ通信できない状況に陥ります。
■解決のポイントはプロファイルの記述仕様
プロファイルには、次の2つの記述仕様が存在します。
・「APN Payload」
・「Cellular Payload」
「APN Payload」は古い仕様で、アップル社は将来の廃止を予告しています。
今回問題になったプロファイルは、「APN Payload」仕様で作成されたものでした。
これを、新しい仕様「Cellular Payload」でプロファイルを作成したところ、データ通信できるようになった、ということでした。
それだったら、最初から「Cellular Payload」 仕様でプロファイルを作ればいいのに、と思います。
しかし、「Cellular Payload」仕様での作成ツールは公開されておらず、作成者側で試行錯誤しながらプロファイルを作成している、というの現状です。
一方、旧仕様の「APN Payload」には、プロファイル作成ツールがアップル社から公開されています。ツールが使えるほうが便利なので、なかなか、新仕様へ移行しない(できない)という事情があります。
以上です。