■この資料の目的
HDDからSSDへの換装を機に32ビット→64ビットに環境を引き継げないかどうかを調査した際のメモ。
結果的に断念した。
■やりたいこと
Windows10 32ビット版がインストールされているPCを同64ビット版にしたい。
その際、
-HDDをSSDに換装する。
-ログインユーザなど基本的なOS設定を移行したい。
-アプリケーションの設定も可能な限り移行したい。
-有償ツールは使いたくない。
という条件を課す。
■32ビットから64ビットへのアップグレードパスは?
Windows10 32ビット版から64ビット版へのアップグレードパスは、ない。
■新しいPCへの引っ越す流れ
MS提携のツール(PCmover express)は利用不可。既に無償提供版はなくなっていた。
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The PCmover Express free download offer has ended.
Please click here to view our latest offer.
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一応、NECのサイトにまとめられているが、NECPC搭載のプリインストールアプリを使うやり方なので、あくまで、全体の流れの理解に役立つというレベル。
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新しいパソコンに移しておきたいデータとしては、主に次のようなデータがあります。
・ Internet Explorer*1の設定と「お気に入り」に登録した情報。
・ 電子メールの送受信メール、アドレス帳、メール送受信のためのアカウント設定。
・ WordやExcelなどで作成したファイルや、自分で撮影した写真データ、動画データなど。
・ 日本語入力システムの「ユーザ辞書」。
・ Windowsの設定。
・ アプリの設定とデータ*2。
*1:Windows 10の標準ブラウザは、Microsoft Edgeです。「お気に入り」を移すには、Microsoft Edgeのお気に入りのインポート機能を使って移行できます。
*2:インストールされているアプリは引越しできません。またアプリによっては引越しできないデータがあります。
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プロファイルをそのまま外付けHDDへバックアップしといて、クリーンインストール後の環境へコピーもしくはインポート、がよさそうではある。が、Win7以後プロファイルのコピーは無効化されており、簡単ではなさそう。→別項「手動での方法」へ続く。
■無償引っ越しツール
検索すると上位に出てくるのが、「EaseUS Todo PCTrans Free」。
その他、いくつかヒットするも、ややアヤシゲ。定番の無償ツールはないようだ。
■手動での方法
コピーではなく、Defaultユーザへの裏ワザコピー方法が以下のサイトにあった。
「Sysprepを使わずにプロファイルコピーする方法(Windows10 1703対応)」
https://qiita.com/mkht/items/411081eff1a7552858a3
新規ユーザ作成時に元となる、Defaultユーザのプロファイルを別のプロファイルからコピーして有効にする方法。
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reg.exe load HKU\def C:\Users\Default\NTUSER.DAT
実行後にレジストリエディタを開くと、HKEY_USERS\defというキーがあります。
このキー内の以下のサブキーを全て削除してください。
・ HKEY_USERS\def\Software\Microsoft\SystemCertificates
・ HKEY_USERS\def\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\DeviceAccess
・ HKEY_USERS\def\Software\Microsoft\Windows\Roaming\OpenWith
・ HKEY_USERS\def\Software\Microsoft\Windows\Shell\Associations
・ HKEY_USERS\def\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\FileExts
・ HKEY_USERS\def\Software\Microsoft\Active Setup\Installed Components\{89820200-ECBD-11cf-8B85-00AA005B4340}
※アクセス権を変更してからでないと消せないかもしれません。適宜対応してください
レジストリの編集が終わったら以下のコマンド実行してレジストリをアンロードします
reg.exe unload HKU\def
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Windows10以前では簡単にできたユーザプロファイルのコピーが、Windows10では簡単にできなくなってしまっている(=手順複雑&時間がやたらと掛かるSysprepを使う方法しかなくなった)ということが諸悪の根源、ということがわかってきた。
という中、Sysprepを使わずに済む仕組みが用意されているらしい。
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1601/22/news033_3.html
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Windows 10には、Sysprepに代わる新しいプロビジョニングフレームワークが用意されています。新しいプロビジョニングフレームワークはWindows 10、Windows 10 IoT、Windows 10 Mobileに共通のもので、「プロビジョニングパッケージ(.ppkg)」を使用してWindows 10のプロビジョニングをカスタマイズできます。
...
プロビジョニングパッケージは、Windows 10向けのWindows ADKに含まれる「Windowsイメージングおよび構成デザイナー(Windows ICD)」を使用して、作成およびビルドします
...
Windows ADK for Windows 10 バージョン 1511(マイクロソフト ハードウェア デベロッパー センター)
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/dn913721.aspx#adkwin10
...
Windowsプロビジョニングフレームワークを使ったカスタマイズ(マイクロソフト ハードウェア デベロッパー センター)
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/hardware/dn623410(v=vs.85).aspx
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ただ、SysprepにしてもWindowsプロビジョニングフレームワークにしても、企業内PC展開(マスターPCからのPC大量作成)の仕組みであり、単純にユーザプロファイルをコピーという今回の要望への答えではない。
MS純正では、USMT(User State Migration Toolkit)があり、設定とデータを移行する仕組みと紹介されている。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt299182(v=vs.85).aspx
また、「USMTの要件」の注には「32 ビット オペレーティング システムを 64 ビット オペレーティング システムに移行できます。」の記載あり。
■USMT
ダウンロード元:Windows アセスメント & デプロイメント キット (Windows ADK)
https://developer.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/windows-assessment-deployment-kit#winADK
使用するコマンド:ScanState/LoadState
-ScanState
主な機能は2つあり、何れも移行元PCにて実行する。
(1)移行元の構成情報をカスタマイズ用XMLファイルへ出力する(/genmigxml)。
(2)移行元から移行データを生成する。
-LoadState
主な機能は1つで、移行先PCにて実行する。
(1)移行元から抜き出した移行データを移行先へ適用する。
概要
省略時で実行する(=カスタマイズ用XMLを使わない)なら、すべてのユーザプロファイルとWindows標準機能の設定情報を移行できる。
実行するPCで必要なのは、コマンドで実行するファイルのみで、インストールする必要はない。つまり、ADKでダウンロードした中から抽出すればよい。
あらかじめ想定されたコンポーネントやファイルなどを移行できる。
環境データコピー操作:
バックアップ用設定ファイルを生成する。ScanState
生成した設定ファイルを編集する。メモ帳
設定ファイルを指定してバックアップを実行する。ScanState
新環境で、設定ファイルを指定してコピーする。LoadState
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2017/12/13 18:40 調査中止....複雑すぎるため
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■Windowsバックアップ
よくよく考えると、Windowsバックアップでいいんじゃね?
壊れたPCに、あらかじめとっておいたバックアップから復元する、というシナリオとまったく同じだし^^;
もちろん、Windows7以前のようにエクスプローラで簡単にコピーできるのが一番だけど、1回限りの作業なので、クローニングとか繰り返し利用(作業/操作)とかにこだわる意味もないことに気づいた。
Windowsバックアップでの可能性を探ってみるも、データのバックアップ(=データフォルダ単位のバックアップ)かシステムバックアップ(=ディスクイメージでのバックアップ)しかできないことが判明した。
Windowsバックアップを利用しての32ビット→64ビットは断念する。
■出典
Windows10にはWindows転送ツールはない。
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4026265/windows-windows-easy-transfer-is-not-available-in-windows-10
「Microsoft と Laplink の提携により、引越し Express をお使いいただけます。これは、古い Windows PC でファイルやフォルダーなどのアイテムを選んで新しい Windows 10 PC に転送するためのツールです。」のリンク先と実際のサイト。
http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=620915
http://pcmoverfree.azurewebsites.net/
「121ware.com > データ引越し Windows 10 版」
https://121ware.com/navigate/support/datamove/win10/index.html
「無料のPC引越し、データ移行ソフト - EaseUS Todo PCTrans Free」
https://jp.easeus.com/free-pc-transfer-software/
■参考-ユーザアカウント画面の「プロファイルパス」
キーワードは、固定プロファイル。
例えば、図書館とか学校とか、不特定多数の利用を想定したアカウントで、利用後(=ログオフ後) にそのアカウントで実施した操作やファイルを、ログオン前の状況に初期化することができる。
有効にするためには、あらかじめ固定プロファイルを作成しておき、アカウントのプロパティ画面で「プロファイル」タブ-「ユーザプロファイル」-「プロファイルパス」に作成しておいた固定プロファイルのパスを記述する、という流れ。
ほとんど知られていないし、そもそも「プロファイルパス」欄の意味すら知らなかった^^;
https://qiita.com/mkht/items/23bfc6cb7e9644960730
プロファイルの種類と解説は以下にあった。
「《第6問:解答》Windows 10のユーザープロファイルにはどんな種類がある? - 窓の杜」
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/shseri/exam70-697/1029251.html
以上☆