■JR東日本の指定席券売機で往復乗車券を買う
あまり機会はないですが、JRで長距離乗車券を買うとき、みどりの窓口で買いますよね。
今回初めて知ったのですが、JR東日本の駅の一部では、「指定席券売機」でも長距離乗車券を買えるんですねぇ。
「JR東日本 指定席券売機ご利用案内 設置駅一覧」
http://www.jreast.co.jp/estation/kenbaiki/
でも、この指定席券売機、何回か操作「勉強」が必要です。
なぜかというと、色々なことができるゆえの宿命ですが、
「メニューからどれを選ぶと、私がやりたいことができるのか?」
がわからないんです。
「JR東日本 指定席券売機ご利用案内 指定席券売機でできること」
http://www.jreast.co.jp/mv-guide/menu.html
例として、
町田から中津(大分県)までの乗車券だけを買いたい。できれば、往復乗車券が欲しい。
新横浜から小倉(福岡県)までは、新幹線に乗車するが、指定席特急券は別途入手済み。
という状況と想定します。
さて、指定席券売機のメニュー画面から、町田から中津(大分県)までの乗車券だけ、を購入したいのですが、どのボタンを押せばよいでしょうか?
正解は、画面右下にある、
「乗車券 普通回数券 買い間違い払いもどし」
ボタンでした。
私は、そこにたどり着くまでに、
「乗り換え案内から購入」
「おトクなきっぷ」
を押し、それぞれ何回か画面遷移をしたところで、「これでは買えない!」とわかり、メニューに戻って再スタートしました。
「乗車券 普通回数券 買い間違い払いもどし」を押すと、サブメニューが表示されるので、
「乗車券」
ボタンを押すと、乗車券だけを購入できる画面が始まります。
残念ながら、ここから先は、JR東日本のサイトに画面例や購入までの流れも書いてありません。
ところが、購入の流れがわかっていないと、この先の画面操作で戸惑ってしまいます。
思いっきり戸惑いました、私^^;
特急を使うか使わないか、と聞かれるんです。
鉄ちゃんでない私は、この意味が理解できませんでした。
「乗車券だけだから、新幹線の並行区間の特例もあるし、途中で特急を使おうが使うまいが、出発駅から降車駅までの距離分の乗車券を買えばいい。」
というのがJR乗車券の基本ルールと思っていたからです。
試しに、特急を使う、で画面操作を進めてみました。
乗車駅や降車駅を指定してくれと、順々に画面遷移していくので、町田、中津、...と操作を進めていきました。
ところが、途中で、
「指定した区間の乗車券は購入できません。」
と怒られてしまい、最初からやり直すことに。
どうやら、画面に表示された内容をよく確認せず、間違った操作をしてしまったようです。
じゃ、特急を使わない、でやったらどうなんだろう、とトライすることに。
ことのほかカンタンで、乗車駅を町田、降車駅を中津、と指定するだけ。
往復乗車券にするなら、駅名を指定後、「往復乗車券」 のボタンを押すだけでした。
金額が表示され、クレジットカードでの支払いを選択。
クレジットカードを挿入し、クレジットカードのパスワードを入力すれば...あれ、クレジットカードのパスワードが違う?
一瞬あせるも、単純に数字キーの押し間違いでした^^;
往路乗車券、復路乗車券、クレジットカード利用票、領収証、計4枚を券売機から受け取り、無事購入完了、です。
実は、「もう一度、特急を使う、でトライすればよかった」と、後日の新幹線改札口で後悔します^^;
正しい操作は、おそらく、
出発駅:町田
到着駅:中津
特急乗車駅:新横浜
特急降車駅:小倉
で、画面の文言を読み間違えて操作したんだろうな、と想像しています。
その後悔は、のちほど...
■Express予約で同時購入する乗車券と一般の乗車券の違い
私は、新幹線に乗るときは、JR東海のExpress予約(expy.jp)を使っています。
指定席特急券が安い(正規自由席特急券とほぼ同額)。
PC/ケータイ/スマホで予約できる。
座席の空き状況を見ながら、席を選べる。
乗車前なら手数料なしで便を何度でも変更できる。
などなど、メリット多数です。
で、Express予約では、指定席特急券と同時に乗車券もできます。
ただ、ひとつ、難点が。それは、
「購入できる乗車券は、新幹線区間の専用乗車券だけ。」
ということなんです。
これ、新幹線乗降駅で、在来線との乗り継ぎができない、特殊な乗車券なんです。
通常、JRの乗車券は、乗車券面に記載された区間以遠の駅で降りる場合、出発駅から降りる駅までの総距離から運賃額を計算し、購入済乗車券金額との差額だけを支払います。
でも、この専用乗車券は、それが適用されないんです。
このため、出発駅から新幹線乗車駅まで、および、新幹線降車駅から目的駅まで、の乗車券(キップ)を別に買わないければならないんですね。
どういうことかというと、出発駅から目的駅までの乗車券の金額合計が高くなってしまうんですよ、Express予約で新幹線乗車券を同時購入してしまうと。
例えば、前項の例で出した、町田駅から中津駅(大分県)までの乗車券で比較すると、1000円近く高くなる計算です。
▼Express予約同時購入乗車券金額合計:14180円
町田から新横浜までの乗車券:290円
新横浜から小倉までのExpress予約専用乗車券: 12810円(=EX-IC料金-e特急券)
小倉から中津までの乗車券:1080円
▼通常のJR乗車券金額合計:13260円
町田から中津までの乗車券:13260円
なので、乗車券は、Express予約で同時購入せず、別に買う、といういきさつになったわけです。
さらに、例を変えまして...
「じゃ、出発駅=新幹線乗車駅、目的駅=新幹線降車駅、なら、乗車券を同時購入しても、同額じゃん。」
その通りです。片道分だけ買うなら、乗車券を別に買っても、Express予約で同時購入しても、乗車券の金額はまったく同じです。
但、帰りも同じ経路を使うなら、話が違ってきます。
同じ駅間を往復し、かつ、片道の営業キロ数が600キロ以上、だと、乗車券が10%オフになる、往復割引制度が使えるからです。
しかし、Express予約では、仕組み上、往復割引制度がないのです。
ということも合わせて、乗車券は、Express予約で同時購入せず、別に買う、となったわけです。
▼Express予約って何?
JR東海とJR西日本が共同で運営している、東海道新幹線および山陽新幹線(つまり、東京-博多間の新幹線)の指定席をインターネットで予約できる、会員制サービスです。
なお、入会するには、
JR東海が発行するクレジットカード「JR東海エクスプレスカード」
JR西日本が発行するクレジットカード「JR西日本 J-WESTカード(エクスプレス)」
が必要です。Express予約で使える支払い方法は、上記カードによる支払いしか選べないからです。
...Express予約のホームページを見ても、イマイチ、わかんないですよねぇ。
読み解くカギは、Express予約とは、指定席をインターネット予約できるサービスである、です。
これを念頭におくと、指定席予約以外の機能の意味が理解しやすくなります。
サービス開始から、継ぎ足し継ぎ足し、機能追加してきたため、過去のしがらみにとらわれて、サービス体系を刷新できず、全体像が見えにくくなってしまっていると思います。
■新幹線の自動改札でゲートを通過できない?
というわけで、事前購入済み往路乗車券を横浜線町田駅の自動改札に通し、出発。
新横浜まで行き、Express予約で購入した「e特急券」(指定席特急券)を、新幹線改札付近に設置されている、JR東海の指定席券売機かJR東海の受取専用機を操作して受け取ります。
Express予約の会員情報で登録済みのExpressカードを挿入し、暗証番号を入力します。
すると、購入済み発券待ちキップ類一覧が表示されるので、今から乗車する特急券を選びます。
今回の場合、e特急券、領収書、計2枚発券され、受け取りました。
e特急券と往路乗車券を新幹線の自動改札に通したところ...
「ピンポーン。この乗車券では自動改札を通れません。」???
駅員が来て、乗車券をチェック。
「これは、新幹線に乗らない用の乗車券ですね。東海道線経由と記載されていて、新幹線経由と記載されていないです。」
「えっ?、じゃ、この先使えないの?」
「いえ、乗車券としては正規なものです。でも、新幹線の自動改札は通れないの で、係員のいる改札を通ってくださいね。」
そう。
JR東日本の指定席券売機で乗車券を買うとき、
「特急を使わない」
を選択すると、こういうことになるんですね。
経路の途中で新幹線を使う場合、特急を使う/使わない、の選択によって、埋め込まれる経由情報が変わる、と、理解しました。
と、ここで、もうひとつ気付きました。
思っていた往復乗車券の金額より、20円高いんです。
各種乗り換え案内で調べると、
片道:13260円なので、往復:23860円(往復だと、1割引で10円未満切捨て。)
のハズなのに、購入した乗車券は、
往復:23880円
でした。
「新幹線と在来線が並行する区間の特例」があるので、新幹線経由/非経由でも乗車券の金額に差はないはずなんで、調べてみました。
東海道線の区間では、 同額。
しかし、山陽本線以西になると、複雑怪奇な運賃差額に...(@_@)
町田から小倉の運賃は、
新幹線経由:12810円
在来線経由:12850円
と差が40円です。
それが、中津まで行くと、10円に縮まるって???
また、営業キロ数は30キロ違うので7.05円×30キロで210円以上差がつくはずなのに、実際には10円しか差がない???
様々な特例とJR九州管内の割増料金制度が絡んでいるようで、うーん、追いきれない^^;
例外がこんなにたくさんあるとは...こんな複雑な計算式だと、コンピュータなしではやってられないですね。
みどりの窓口がヒマそうにしてたら、聞いてみることにして、調査中止。
次回、同区間の乗車券を買うときは、「特急を使う」 で購入することにしよう。
---
以下、備忘録。
▼モバイルSuicaの「ビュー・エクスプレス特約」
実は、Express予約に入会する方法としてはもうひとつあり。
それは、JR東日本のモバイルSuica会員になること。
モバイルSuica会員なら、ビュー・エクスプレス会員、として、モバイルSuicaの画面上から、カンタンに入会できる。
なお、入会すると、モバイルSuicaは、EX-ICカードと同等の機能が与えられる。このため、予約操作時にEX-ICサービスを選択した場合、チケットレスで新幹線改札を通過できるようになる。
但、この方法で入会した場合、以下の制限あり。
- ビュー・エクスプレスの年会費、取られる。
- 特急券も乗車券も、指定席券売機や受取専用機で発券できず。←モバイルSuica(=ケータイ)がチケットになるので、発券する必要はない。しかし、会社によっては、交通費清算の領収書として、指定席券売機
や受取専用機で発券された領収書が要求されることがあるので、制限として記載した。
「EX-ICサービスでは、領収書は発行されますか?」
http://expy.jp/faq/detail.php?id=138 - 他、EX-ICサービス/EX-ICカードの制約と同じ。
▼EX-ICサービス
Express予約でEX-ICサービスを選択して予約すると、EX-ICカードをかざして改札を通過できるようになる、チケットレスサービスのこと。
また、EX-ICカードとは、Expressカード/J-WESTカードとともに発行される、EX-ICサービス専用のICカードのこと。
ぶっちゃけた話し、メリットといえるメリットは何もないサービスである。
強いてあげるなら、
- 予約内容を発券する手間が掛からない。
- 在来線の乗車券がなくても、Suica等交通系ICカードで乗り継ぎ改札を通れる。
しかし、改札通過時に、EX-ICカードをかざす必要があるので、EX-ICカードを携行し、かつ、他の弱電波系カード(Edy/Nanaco/Waonなど)と干渉しないように配慮して使う、というあらたな「手間」が追加されるので、メリットとは言いがたい。
また、在来線との乗り継ぎ運賃が高くなる、というExpress予約で乗車券を同時購入するときの根本的な問題は解決されておらず、さらには、e特急券はチケットレスにできないなど、こちらもメリットとは言いがたい。
▼Express予約でモバイルSuicaをEX-ICカード代わりに使う
Express予約で、モバイルSuicaをEX-ICカード代わりに使うには、2つの方法がある。
1つは、前項で説明したモバイルSuicaから「ビュー・エクスプレス特約」でExpress予約に入会する方法。
もう1つは、既にJR東海かJR西日本のクレジットカードでExpress予約に入会していている場合に、モバイルSuicaへ、Express予約に登録しているExpressカード番号を登録する方法。
前者の方法では、ビュー・エクスプレス特約の年会費を取られるが、後者の方法なら、登録料金や年会費は一切掛からない。
また、モバイルSuicaにExpressカード番号を登録するが、Express予約の会員識別番号として参照されるだけ。モバイルSuicaの決済用クレジットカード番号は変更されない。
普段持ち歩いているケータイがチケット代わりになる、という点では、EX-ICカードよりメリットがある。
特に、在来線との乗継がない場合には、便利。
また、領収書が発券されないことが問題でなければ、利用価値も高い。