週明け早々、あさのニュース画面に端っこに、
「田園都市線鷺沼-渋谷運転見合わせ」
との表示☆
東急線にはほとんどお世話になっていないので、
「沿線のヒト、お気の毒に...」
ぐらいの真剣度でした(^^)
しかし、ニュースを聞くと、なんと、昨晩の事故じゃないですか!
かれこれ6時間も経っているのに、映し出される映像は、事故発生直後のまま!
重機が入っている様子もなく、現場を調査する社員もいない?!
無為に6時間以上も「現場保存」って...一体何やってんの、東急電鉄(@_@)
さらには、報道写真を見ると、あわや大惨事!の重大事案じゃないですか!
■事故の概要1-事故発生翌朝時点
10/5 梶ヶ谷駅構内で停車中の回送電車に、上り中央林間発渋谷行各駅停車電車が衝突、回送電車の一部が脱線(*1)した。
回送電車は、営業線と営業線に挟まれた留置線(*2)で停車中で、車両の一部が本線上に残っていた(*3)とみられる。なお、回送電車の運転手は研修生だった。
(*1)報道写真から、脱線した回送電車は尾灯が点灯、各停電車車体側面に接触痕が長く伸びている。回送電車の最後尾車両の右後端部が上り本線にはみ出していたところへ、上り各停電車が突っ込み回送電車を押しのけて脱線させ、回送列車の右後端部に車体右側面をぶつけながら進み、停止した模様。報道写真には、各停先頭車両の画像が今のところないが、おそらく、先頭右角は相当大きく破損しているはず。
(*2)梶が谷駅の中央林間方、上下本線の間にある留置線。上り本線を走行中の電車と衝突していることから、上りホームから下り方向へ進行して留置線に転線後、停車していたと思われる。一方、本線信号が進行または停止どちらだったとしても、不可解極まりない。まず、留置線に収まっていないのに進行信号なら信号設備の設計施工ミス、逆に停止信号だったのに走行継続したならATS(ATC)不作動、でいずれにしても保安検査不備に繋がる重大案件。
(*3)田園都市線の編成は基本10両編成なので、車両停止位置を間違えるはずがなく、なぜ、既定の停止位置にいなかったのか、疑問が残る。大井町線直通各駅停車は5両編成、大井町線直通急行は7両編成、も運行しているので、もし5両/7両停止位置にいたら、大惨事だった。
■事故の概要2-事故発生翌晩時点
報道情報が出てきて、あさ時点の疑問がいくつか晴れるが、更なる疑問が湧いてきた(^^)
・各停電車運転士は、回送電車が異常に近い(*a)ことを認識(*b)、緊急ブレーキを掛けた。
・制動が間に合わず、回送電車と衝突した(*b)。
・衝突後、回送電車に車体側面をぶつけながら、渋谷方4両目付近がぶつかった状態で停止した(*c)。
・渋谷方から2両目まで、梶が谷駅上りホームに入線していた(*c)。乗客は1-2両目から降車。
・奇跡的に死傷者が出なかった(*c)。不幸中の幸い...
・この期に及んでも、復旧見通しは発表されず(*d)。翌日の運行計画も不明確。
(*a) 回送電車は、留置線内走行中、ATS(ATC)が速度超過を検知して緊急停止した模様。おそらく、その後の復旧手順に手間取っているうちに、事故が発生したのだろう。だとしても、営業線上に支障がある状態で停車したのに、営業線側の信号もATS(ATC)も「停止」になっていなかったことは最大の不可解。
(*b)緊急ブレーキ操作は「視認直後」と報道されている。しかし、停止した位置からすると、「衝突してからあわてて」操作したのではないだろうか。運転席は先頭左端にあり、右側にいた回送電車と異常に近いと認識したという証言には、疑問が残る。特に、東急線は、電車同士が近接しながら転線/並走/離合する場面が多々あり、車体が近くにあっても「異常」と認識する意識づけは希薄、と推測する。逆に、異常に近いことへの気づきや注意が日常的にあったのなら、もっと早い時点、例えばホーム手前で転線するポイントのかなり手前の段階=本線上を走行中に隣の留置線に停車している電車を視認しているのだから、「停車位置が変だ!」あるいは「後端車両が本線にはみ出ている!」と気づき、停止もしくは減速できたはずである。
(*c)1-4両目まで衝突しながら走行していたことになる。車体側面の衝突痕から、もし回送電車がもう少し本線にはみ出していたら、各停電車が脱線、もしくは、各停電車車体側面がえぐられて大きく損傷、大惨事になるところだった。東急線(正確には営団地下鉄区間ではあるが、車両は東急電鉄所有)では、過去、中目黒駅構内で走行中の電車同士が激突して死傷者を出した大事故が頭をよぎった。
(*d)重大事故扱いとなり事故調案件となったため、勝手に移動できないとしても、事故後の動きはあまりにも緩慢ではないだろうか。特に、情報公開が浅くて遅く、駅まで来ないと正確な情報が伝わらない、というのはどういうこと?日常的にどうでもよい情報をSNSを通じて提供しているのに、肝心な時にみんなが知りたい情報をタイムリーに公開できないのはあまりにもお粗末。報道各局への情報提供もSNS同様。事案の重大さと深刻さがまったく伝わってない。
「昨晩発生したから、一晩もあれば復旧してるでしょ♪」
と思っていた人がほとんどではないか、報道も利用者も(+_+)
■安全軽視をし続けた結末
ここ数年の東急電鉄の各種施策や事故報道を見るにつけ、
「とうとうやらかした!」
「いつかこんなことが起きるよね!」
と感じています。
安全無視と保守軽視、に起因する事案が多いと感じるのはわたしだけではあるまい(^^)
報道されてはいないが、車両やホームドアの開閉不具合は日常茶飯事、開閉不具合で乗降できない客がいても気づかずに発車、重大事故になりかねないホームドア接触、など...
ワンマン運転時には、運転席上部にある、とてつもなく見づらいモニターしかない、乗務員によるホーム上の安全確認手段、などを筆頭に、安全軽視事案は枚挙にいとまがない。
忘れちゃいけないのが、忘れた頃に発生する、電気系トラブルによる運休(^^)
田園都市線都内地下区間では、数年おきに電気系設備故障で長時間の運休が発生している。
設備更新を怠った、というより、継続的な経費節減人員削減によって、技術スキルの内部留保が枯渇しつつあるのではないだろうか。
非常に危険な状態にあるとしか思えない。
大惨事が起きないことを祈るしかない、という状況が最大の危機的状況なのだが...
以上です☆