2021/07/16

自治体向けワクチン配布に見るドタバタの考察☆

「1日100万回接種」の政府大号令の下、全国の自治体は体制を整備してきました(^^)

 が、なんということでしょう。

「在庫がある自治体には供給を絞るんで♪」 

と、いきなりはしごを外す暴挙に出た政府(@_@)

まぁ、政府の言い分を聞いていると、この人たち、正確には内閣府周辺の国家公務員は現場を知らなすぎですね。

というより、社会生活をしたことがあるのか?と言いたくなるほど、経済社会の仕組みを知らなすぎ(+_+)

一方で、自治体側の接種記録への考え方がお粗末、という側面も(+_+)

 

■「在庫」の意味を知らない

内閣府のみなさんは「在庫」=「余剰在庫」と勘違いしているんでしょうね。

これは日本の財界人が崇拝するカンバン生産方式を、間違って解釈した結果、

・在庫を持たないことが最善である。

・在庫があるのは悪いことである。

と思い込んでいるのですかね?

在庫ゼロ=カンバン生産方式の神髄、なんて発祥の地トヨタではやってないですよ。

適正な数の部品をストックしておき、一定量を下回ったら補充する、

これがカンバン生産方式の考え方です。

カンバン生産方式で在庫ゼロなんてあり得ません。

在庫をゼロにしたら、ラインが止まっちゃいます!

 

■在庫管理システムが使われていない?

VRSという新型コロナワクチン接種管理する仕組みがあるのに、一部の自治体、正確には接種現場で使われていないらしい。

NHKの報道によると、接種現場で接種した実績を入力することを想定、タブレットで接種番号を入力するだけで済むとのこと。

要するに、とっても簡単に入力が完了し、それを元にワクチンの消費数や接種済み者追跡ができ、後々の事務工数を劇的に減らすことができる、政府にしてはイケテル仕組みと思える。

接種券にはバーコードが印字されているので、タブレットのカメラで読込むだけと推察。

にもかかわらず、VRSへの入力が遅れているって、どういうことなんだろう?

推測するに、日本の医療現場ではITアレルギーが強く、接種現場の医師や看護師には、

「PCやタブレットなんて医療従事者が触るもんじゃない!」

という風潮が未だに残っているんでしょうね。

「ワクチンを注射が俺達の仕事。そのあとのことなんて事務員がやるんでしょ?」

と。

話はそれるが、こういう一匹狼的な医療者が標準の手順を守らず、

・使用済み注射器を使ってしまう。

・ワクチンの濃度を間違える。

をやらかしてるんでしょう。

話を戻して、接種現場で入力できないとなると、リアルタイム処理ではなく、バッチ処理...死語(笑)

だいたい、後回しにされる業務は、人が充当されないのが世の常なので、当日内に処理しきれず山積みとなり、1日遅れ、2日遅れ...1週間遅れ...

結果、VRS上の接種済み人数には、未入力分の人数がカウントされないため、

「送付済みのワクチンがまだたくさん残ってるではないか!」 

と。

NHKのサイトの情報では、大阪府内の一部自治体では、VRSへの入力どころか、接種した記録(いつ誰に誰が接種したのか?)すら残していない、とあります(@_@)

そんな前近代的なやり方をしている自治体が、ワクチン割り当てを削減されても致し方ないのでは?

自治体職員の行政執行能力劣化を象徴していると言えるでしょう。


■ドタバタの考察

さて、新型コロナワクチンに話を戻しましょう。

きょう夕方現在、NHKおよび日経のサイト掲載資料によれば...

1回接種済みの延べ人数は約4000万人強。

2回接種済みの人数は約2600万人弱。

なので、現時点、2回目の接種が決定している人数(=必要ワクチン数)は約1400万人分。

この1400万人分は使うことが決まっている予約済なので適正な在庫。

この分を「余っている」 (=余剰在庫)とカウントされては、たまったもんじゃない。

さらに混乱に拍車をかけているのが、VRSへの入力の遅れ。

VRSへの入力が遅れている数がどれだけあるのか?すら、把握できていないんじゃないでしょうかね、VRSへの入力が遅れている自治体は。

 

政府は一方的に机上の数字だけで政策決定するのではなく、想定と合致しない数字が出てきたら、あれ?なんか変じゃね?この数字?と考えて、当該自治体と連絡を取り合うなど、もっとコミュニケーションをとるべきじゃないでしょうか?

一方、VRSへの入力が滞った結果、ワクチン配給量を減らされた自治体は、文句を言う前にどうすればいいのか考えてもらいたいものです。

だって、規模の大小にかかわらず、ほとんどの自治体はちゃんと入力しているんですから、VRSへの入力の重要性を認識して。

緊急事態であるからこそ、やることに多少の不具合はあるとは思います。

でも、やることの本来の目的や意義を理解して、それぞれの役割をきちんと果たして欲しいものです。

 

以上です☆