「1日100万回接種」の政府大号令の下、全国の自治体は体制を整備してきました(^^)
が、なんということでしょう。
「在庫がある自治体には供給を絞るんで♪」
と、いきなりはしごを外す暴挙に出た政府(@_@)
まぁ、政府の言い分を聞いていると、この人たち、正確には内閣府周辺の国家公務員は現場を知らなすぎですね。
というより、社会生活をしたことがあるのか?と言いたくなるほど、経済社会の仕組みを知らなすぎ(+_+)
一方で、自治体側の接種記録への考え方がお粗末、という側面も(+_+)
■「在庫」の意味を知らない
内閣府のみなさんは「在庫」=「余剰在庫」と勘違いしているんでしょうね。
これは日本の財界人が崇拝するカンバン生産方式を、間違って解釈した結果、
・在庫を持たないことが最善である。
・在庫があるのは悪いことである。
と思い込んでいるのですかね?
在庫ゼロ=カンバン生産方式の神髄、なんて発祥の地トヨタではやってないですよ。
適正な数の部品をストックしておき、一定量を下回ったら補充する、
これがカンバン生産方式の考え方です。
カンバン生産方式で在庫ゼロなんてあり得ません。
在庫をゼロにしたら、ラインが止まっちゃいます!
■在庫管理システムが使われていない?
VRSという新型コロナワクチン接種管理する仕組みがあるのに、一部の自治体、正確には接種現場で使われていないらしい。
NHKの報道によると、接種現場で接種した実績を入力することを想定、タブレットで接種番号を入力するだけで済むとのこと。
要するに、とっても簡単に入力が完了し、それを元にワクチンの消費数や接種済み者追跡ができ、後々の事務工数を劇的に減らすことができる、政府にしてはイケテル仕組みと思える。
接種券にはバーコードが印字されているので、タブレットのカメラで読込むだけと推察。
推測するに、日本の医療現場ではITアレルギーが強く、接種現場の医師や看護師には、
「PCやタブレットなんて医療従事者が触るもんじゃない!」
という風潮が未だに残っているんでしょうね。
「ワクチンを注射が俺達の仕事。そのあとのことなんて事務員がやるんでしょ?」
と。
話はそれるが、こういう一匹狼的な医療者が標準の手順を守らず、
・使用済み注射器を使ってしまう。
・ワクチンの濃度を間違える。
をやらかしてるんでしょう。
話を戻して、接種現場で入力できないとなると、リアルタイム処理ではなく、バッチ処理...死語(笑)
だいたい、後回しにされる業務は、人が充当されないのが世の常なので、当日内に処理しきれず山積みとなり、1日遅れ、2日遅れ...1週間遅れ...
結果、VRS上の接種済み人数には、未入力分の人数がカウントされないため、
「送付済みのワクチンがまだたくさん残ってるではないか!」
と。
NHKのサイトの情報では、大阪府内の一部自治体では、VRSへの入力どころか、接種した記録(いつ誰に誰が接種したのか?)すら残していない、とあります(@_@)
そんな前近代的なやり方をしている自治体が、ワクチン割り当てを削減されても致し方ないのでは?
自治体職員の行政執行能力劣化を象徴していると言えるでしょう。
■ドタバタの考察
さて、新型コロナワクチンに話を戻しましょう。
きょう夕方現在、NHKおよび日経のサイト掲載資料によれば...
1回接種済みの延べ人数は約4000万人強。
2回接種済みの人数は約2600万人弱。
なので、現時点、2回目の接種が決定している人数(=必要ワクチン数)は約1400万人分。
この1400万人分は使うことが決まっている予約済なので適正な在庫。
この分を「余っている」 (=余剰在庫)とカウントされては、たまったもんじゃない。
さらに混乱に拍車をかけているのが、VRSへの入力の遅れ。
VRSへの入力が遅れている数がどれだけあるのか?すら、把握できていないんじゃないでしょうかね、VRSへの入力が遅れている自治体は。
政府は一方的に机上の数字だけで政策決定するのではなく、想定と合致しない数字が出てきたら、あれ?なんか変じゃね?この数字?と考えて、当該自治体と連絡を取り合うなど、もっとコミュニケーションをとるべきじゃないでしょうか?
一方、VRSへの入力が滞った結果、ワクチン配給量を減らされた自治体は、文句を言う前にどうすればいいのか考えてもらいたいものです。
だって、規模の大小にかかわらず、ほとんどの自治体はちゃんと入力しているんですから、VRSへの入力の重要性を認識して。
緊急事態であるからこそ、やることに多少の不具合はあるとは思います。
でも、やることの本来の目的や意義を理解して、それぞれの役割をきちんと果たして欲しいものです。
以上です☆