すべての生活を一変させた新型コロナウィルスCOVID-19。
ある経済専門紙では、在宅勤務を半数以上が賛成、との調査結果をぶち上げました。
でも、ホントに、在宅勤務なんてできますか、みなさん。
※ここでは、いわゆるブルーカラーのみなさんは除き、ホワイトカラーを対象とします。
■就業環境と言えるのか?
先の経済専門紙のどの記事においても、仕事の内容ややり方だけにフォーカスし、歓迎と問題なしと結論付けていました。
しかし、住宅事情と生活様式の議論はほとんど触れていません。
単純なお話しですが、あなたの自宅に、仕事ができる場所、ありますか?
ケータイとパソコンがあれば、大丈夫、という方もいるでしょうね。
一例として、外回りをされているみなさん。
おそらく、日本の就業者数の中で営業職の数って多く見積もって20%ぐらいではないでしょうか?
生産や工事現場や運転に従事している人の数は30%ぐらいなので、ホワイトカラーでの割合とすれば、40%ぐらいですかね。
つまり、先の経済専門紙の記事傾向である、在宅勤務ができるのが半数以上なので50%だと仮定すると、実際には営業職が40%(=ほとんど)ってことです。
そう、元々、会社じゃなくても仕事ができる人がほとんどってわけ。
数字にダマされちゃいけません。
外回りをしている人以外で、在宅勤務を経験したみなさんの実感は、
・自宅で仕事なんてムリ!
・短期間ならいいけど、このままずーと続けるなんてムリ!
が実感ではないでしょうか?
■持ち家(含マンション)
まずは、一軒家やマンションをお持ちのみなさん、購入の際、家で仕事をすることを考えましたか?
自分は間違いなく、ノーです。
家で仕事をするなんて、ねぇ。あり得ない(笑)
▼仕事の電話、家でできますか?
家族に迷惑が掛かるだけじゃありません。
会社の情報が筒抜けってことです。
マンションであれば、隣や上下の部屋にも筒抜けです。
ベランダや廊下で電話でしようものなら、館内放送してるようなもの。
昨今のコンプライアンス至上主義の中で、とても許されることではないですよね~(^^)
▼パソコン、家で使えますか?
通信環境ありますか?
意外と光ファイバーが入っているって多いみたいですけどね。ケーブルTVとセットとか、マンションで標準装備とかで。
だけど、家庭内LANは、買ってきてそのまま取り付けただけ、ってパターンがほとんどでは。
あと、マンション標準のネット環境の場合、VPN接続不可だったり、大量データやり取りで通信停止になったり、マンション内なら誰でも参照できるネットワーク仕様だったり、と今までなら問題にならなかったことで、思わぬ障害になったりすることも。
自分の経験では、1週間(稼働5日)在宅勤務してみた際の通信量は、1日当たり1-2GB。
月を4週間と仮定すると、月換算で40-80GB通信することになります。
そもそも、ケータイルータを会社から貸与されている場合でも、在宅勤務を始めたら、月半ばで、会社全体で共有しているパケット使い切っちゃって、月末まで激オソなんて事例もあるぐらいですから。
ということは、自宅環境でも同様のことが起き得ます。
ケータイルータとか工事不要と盛んに宣伝しているヤツとかで家庭内LANしてる場合が、該当しますね。Gb(ギガビット)とGB(ギガバイト)では、約8倍/8分の1の差があります。
1Gb≒0.16GB
1GB≒8Gb
ケータイ会社は、より多く見せるため、Gbを「ギガ」と称している例がありますので。
単純化しますと...
会社のファイルサーバにある1GBのWordファイルを、在宅のPCへコピーする場合、通信量1GB(=8Gb)ということです。
高速通信量が月4Gbだったら、即、使い切っちゃうということです。
▼テレビ会議、できますか?
経営層と管理職層が勘違いしているんですけど、ネットにつながりゃ、リモート会議ができるわけじゃないってこと。
基本的な通信環境だけじゃなく、その時々の通信状況に極端に左右されるんですけどね。
経験されている方は多いと思いますけど、音声が途切れるなんて、当たり前。
よくあるカメラでお互いを映しながらの会議、いったいどれだけ通信を消費するのか...
やっかいなのは、同時に発言ができないということを理解していない方々が参加している、リモート会議。
お互いに発言しちゃうから、音声認識できなくなっちゃって(+_+)
疲れちゃいますよね。そういう方々との会議は、リモートじゃなくても(笑)
経験から、本当の会議にカメラ(=人物の投影)は不要です。TV番組じゃないんだから。
逆に、人物の投影が必要なのリモート会議は、会議ではない(笑)
▼パソコン、管理できますか?
持ち運びの労力だってバカにならないし、置き引きされちゃうかもしれないし。
それに、家に空き巣が入ってパソコン盗られちゃったら...心配で出かけられない。あ、外出自粛だから家にいるから大丈夫(笑)
そう遠くない将来、パソコンを家に置いておくときは鍵のかかる場所かワイヤーロック、が「当たり前」になるのが目に浮かぶ^^;■賃貸アパート持ち家(含マンション)
独身の方のほとんどが賃貸アパートですよね。
ワンルームだったら、部屋でひっきりなしに電話とか会議とかしようものなら、隣から思いっきりカベをたたかれないですか?
アパートって、夜勤なので日中は睡眠タイムって住人、結構多いんですよねぇ^^;
じゃ、部屋を出てファミレスとかマック?→電話も会議もムリ^^;
もう、カラオケボックスぐらいしかない!
でも営業自粛期間中は使えない。
窓もなく換気してないから新型コロナ感染リスクはめちゃ高い!←前の客が「ホスト」「ホストクラブの客」じゃない保証はない...今一番の要注意の感染源(笑)
レンタルルームを自腹で?じゃ、会社に行った方がいいでしょ(笑)
■共通の問題-掛かる費用
在宅勤務によって掛かる費用、会社が負担してくれんの?
光熱費、通信費、机とかイスとか。
ケチクサイ会社は、在宅勤務の費用補填しないばかりか、
「在宅だから通勤補助なしね♪」
あり得ないでしょ(@_@)
話はそれるけど、通勤費補助を日割りで計算して支給する会社があるなんて知らなかった。
業態的に現場は出勤日がバラバラだからなんだろうけど、月内でならせば出勤日数は月間でばらつくことなく平準化されるんだから、日々の通勤状況を集計と変更時の手間を考えれば、月定額で支給したほうが管理や手間も削減できると思うんだけどね。
目先の勘定しかしない会社の典型。
細かいは話ではあるけど、自宅のネット環境だって、会社のために加入しているわけじゃないので、それを仕事で使え!というなら応分の負担は当然。
それを在宅勤務だから通勤費なしなんて、あり得ない。
■補足-論点の除外
議論を切り分けるために、フレックスタイムの観点は除外し、在宅勤務を主題とします。
理由は、在宅勤務の利点(表裏一体の問題点)である、勤務時間の柔軟さは、在宅勤務の問題ではない、からです。
勤務時間の柔軟さとは、労働時間の捉え方の問題であり、在宅勤務の問題点(利点)と混同しがちなので、論点から除外するということです。
おそらく、営業職以外で在宅勤務歓迎と可能とした方々は、
・勤務時間を柔軟に設定できるから。
・往復に掛かる時間を削減できるから。
という理由と推察します。
■補足-某経済紙の基本思想
利益だけ上げてれば名経営者、モーレツ社員推奨という、基本路線からは何も変わっていないんですね。
生活様式を変えろ!と言いながら。
おそらく、
「在宅でパソコンと電話持って帰ってんだから、24時間働いてね♪」
というのが、既に、常識なんでしょうね、某経済紙の社員のみなさんは♪
また、家庭内での役割分担についても、高度成長期の家族観のまま。
男は仕事、女は家庭、というのが記事の後ろに、常に透けて見えます。
某経済紙の社員は、共働きであっても、家事は基本妻の仕事、が常識。
男女均等!と言いながら
「男女均等なのは職場だけの話。家庭は別♪」
なのが、透けて見え、記事の薄っぺらさと人としての度量のなさに辟易です。
以上です☆