2017/12/18
京浜東北線7時間停止-JR東日本の品質劣化☆
JRが発足して30年。
国鉄末期の赤字体質から脱却して、エキナカ施設にバンバン投資して業績好調。
一見華やかで、人気企業になってはいます。
しかし、手放しで喜べる状況ではないと感じているのは、私だけでしょうか。
JR東日本発足直後から、更新が必要なほど老朽化した電源設備を使い続けたため、しばしば壊れて停電が頻発していました。今でも、たまに停電で電車が止まるという報道を聞きます。
また、東北新幹線東京駅乗り入れ工事時の陥没や架線柱更新工事で柱が山手線営業線に干渉するなど、国鉄時代にはあり得ないような大惨事につながりかねない工事品質劣化による事故が頻発しています。
どうも、民間会社だから安全より効率優先、という風潮になってしまったのではないでしょうか。
鉄道運行以外はすべて下請け任せにして経費削減が当然と思っているんでしょうね。
目立たなくて儲からないことにはなるべくカネを掛けない...キケンな考えです。
下請けに任せたり、外注化したりする場合、工事仕様や工程検査が確実に把握できる手法が確立していることが大前提です。
しかし、昨今の事案を見るにつけ、そういうことがなおざりで、書類上の形だけの仕様や検査になっているように思えます。
先日の京浜東北線架線切れも、該当区間の架線工事の施工間違いが原因との発表がありましたが、その架線工事がJR内製だったのか下請けに任せたのかは定かではありません。
内製であれば、人件費カットで世代間の人員バランスが崩れてしまい技術が伝承されていない、ということでしょうし、下請けに任せたとすれば、連携不足による施工品質低下/人手不足による施工管理確認力低下、となります。
先日久々にJR都区内で運転席にかぶりついていたのですが、運転士が走行中、手袋を脱いだり駅帽をかぶりなおしたり、運行表を手に取って凝視するなど、頻繁にマスコンから手を放したり、前方不注意、の挙動を見かけました。駅間のゼロノッチ区間で踏切もポイント通過もないから問題はないのかもしれませんが、私鉄では考えられない所作です。ビックリしました...
JR東日本で大きな事故が起きないことを願うばかりです。ATS/ATCがあるとはいえ...
さらに、人件費と経費の過剰な削減による弊害発生は、JR東日本の他ではJR西日本でも発生が顕著です。
JR西日本経営陣による過度な効率優先と安全性軽視方針が原因で、福知山線脱線事故、信楽鉄道衝突事故など多数の犠牲者が出る大惨事が発生してしまいました。
にもかかわらず、つい先日、JR西日本は新幹線台車亀裂事故で安全軽視と疑われても仕方がない対応をやらかしました。
問題ののぞみ34号が運行を停止したのはJR東海管轄の名古屋駅ですが、その3時間前、JR西日本管轄の山陽新幹線区間で、複数回、異常を認知していたのに目視も点検もせず、運行を続けたわけです。
のぞみ34号は東京行きなので、新大阪でJR西日本からJR東海に運行管轄が切り替わり、新大阪-京都-名古屋と停車します。
京都から名古屋への運行中、JR東海の乗務員が異常を認知し、次の停車駅名古屋で緊急点検し、台車の亀裂を発見した、という流れです。おそらく、新大阪から京都の間は、都市部であり駅間距離が短く低速だったため、現象が発生しなかったと推測します。
今回、東海道新幹線区で運行停止したので、JR東海が悪者になっちゃいそうですが、そうではありません。JR東海は異常を見逃さずに運行を停止させ、原因調査を行うという、安全第一の対応をしたのです。
一方、九州の小倉から関西の新大阪という長距離走行中、煙や異臭という異常事態を何回も認知しながら、いくつもある停車駅で点検もせず走らせ続けたJR西日本とは安全意識に雲泥の差を感じます。のぞみ34号停車駅抜粋:小倉-広島-福山-岡山-新神戸-新大阪
また、車両がJR西日本所有だったことも、気になるところです。
以上です☆