2024/11/16未明に発生した函館本線52K093M付近で発生したJR貨物列車脱線事故、死傷者が出なかったのが幸いでした(^^)
とりあえず、現時点(11/17 13:00時点) で拾えた情報からの事故の考察です。
正式な事故原因は、事故調の調査を待ちましょう(^^)
■事故原因の推測
原因は、該当踏切を頻繁に通行する大型車による過大な応力を受け続けたレール固定部分の破壊、だろう。
なお、一部報道に「15分前に同区間を通過した列車は異常は認められなかった」とあるが、JR北海道のニュースリリースの「列車抑止状況」を見る限り、該当個所を長万部方面に走行していた列車は確認できず、函館方面へ走行した列車と誤認していると思われる。
事故発生個所は単線ではなく複線で、レールが破断していたのは長万部方面。ゆえに、函館方面に走行していた列車に異常がなかったのは当たり前。
■ネット上から拾った事故現場平時の状況と公式発表資料の突合せ
2024.11.16 函館線 森~石倉間 貨物列車脱線について JR北海道ニュースリリースによると、
・脱線痕は鷲ノ木道路踏切中心より函館方3mから長万部方に向けて残っている。
とのこと。
そこで、GoogleMapで該当踏切を確認すると、
・2023年4月時点の写真(事故発生日からは1年以上前)。
・踏切内および踏切前後の路面に大型車の頻繁な通行が推測できる損傷がある。
・踏切を渡る道路は、海側から陸側に向かって上り坂をハンドルを切りながら通る構造で、アクセルをふかしながら通過することになり、路面(レール)への負荷が大きい。
・踏切内のレール周りの設備(ゴム製の踏板=黒色のラバー)がクルマ通行方向にはがれており、大型車の頻繁な通行と路面への過負荷が推測される。
という状況。
おそらく、大型車が通行するたびレールの横方向に大きな力が繰り返し加わり、レールと枕木の固定部分が破壊されたのでは。
また、この時点で、信号系に異常がなかった(*)ことから、レールは破断していなかった(=つながっていた)と判断できる。
これを踏まえて、改めてニュースリリースの写真を見ると、
・該当踏切中心付近で長万部方右側レールが2mほど消えてなくなっている。
という状況で、レールがなくなっている位置は、ちょうど、大型車のタイヤが通る位置。
枕木との固定が外れた状態のレール上を重めの貨物列車が通過、支えきれなくなって軌間が広がり脱線、踏切内のレールが破断。
あるいは、貨物列車通過直前に踏切を通過した大型車が、レールの軌間を広げてしまい、 そこを貨物列車が通過して脱線、踏切内のレールが破断。
なお、踏切から長万部方で破断していた左側レール2個所は、脱線後の応力で破断したと推定され、脱線の原因ではないだろう。
(*)運転士の「後ろに引かれるような挙動を認めたので緊急停止した」という証言から。
もし、通過前にレールが破断していたなら、その直前の閉塞区間で信号が赤になっていたはずであり、そのまま赤信号の閉塞区間に進入しようものなら、即座に緊急ブレーキが作動して停車する。
以上です☆