台風10号で被災されたみなさま、お見舞い申し上げますm(__)m
自然が相手なので予測するのも困難ですし、ましてや強い台風の威力にはあらがえない...
少しでも被害が少なく、困難な状況を回避軽減されるよう対処するしかない。
そんな中、東海道新幹線はまたまたまた計画運休を宣言したわけですが、その計画運休を前に失態を繰り返してしまいましたね(-_-)
計画運休は8/30だったわけですが、その前日「計画外の全面運休」に踏み切ってしまいました!
いくら、
「8/29も遅延や運休の可能性がある」
と告知し、乗客への覚悟を求めていたとはいえ、繰り返される長時間の閉じ込め...
まったくいただけません(+_+)
今回、2点に絞って検証してみました。
■繰り返される長時間車内閉じ込めは回避できないのか?
毎回毎回、判断が遅すぎると感じるのは私だけだろうか?
8/29の事例では、16時30分頃、全線で一斉に停車。
規制雨量に達したことが理由だった。
ただ、そのまま延々とその場に停車し続け、挙句の果てに終日運休を決定。
その時刻は19時頃、つまり、停車から3時間近くも経ってから。
報道によれば、新幹線から降車できるまで11時間も「拘束」された列車もあったという。
16時30分から11時間後、つまり、夜明け間近に「解放」 され、何ができるというのか?
初電に合わせてという配慮か(笑)
JR東海の運行指令が何を根拠にどういう判断をしたのか、非常に不可解。
さらに言えば、終日運休を決定するまでも遅いし、決定してからの対応も輪をかけて遅い。
スピード感がまったくなく、イレギュラーな対応ができない応用力のなさが露呈。
終日運休決定まで、なぜ、3時間「も」 かける必要があったのか?
こちらについては、検証する資料がないので、割愛。
一方、終日運休を決めてから、全列車を始発駅に戻すのに8時間も掛かるの?
東海道新幹線の車両留置場所は大井車両基地で、東京駅から折り返して入庫する必要があるという複雑さがあるので、単純に折り返せばいいってわけじゃない...
いや、当日の状況をよくよく考えれば、全然複雑ではない。
終日運休を決定した時点で、東京発の営業運行列車はなく、東京駅からの下り線を「大井への回送専用」で使えたわけ。
つまり、東京駅へ帰ってきた車両を片っ端から大井へ回送するだけ。
大井で全編成を収容できなくなったところで、まったく問題はない。
翌8/30は既に全線計画運休を宣言しているのだ。
だから、駅だけでなく、駅間の線路上に留置しておけばよいのである、上りも下りも丸々使える。
クルマに例えるなら、路上駐車(笑)
保安上心配だったら、それこそ、緊急事態として、車内に社員を常駐させておけばよいのではないか?
平時、現実に即したシミュレーションをせず、対応の準備もできていない、ことの裏返し。
既成概念にとらわれ過ぎて、思考がマヒしているのでは。
たびたび起きた(る)事態なのだから、もはや「不測の事態」と言い訳するのは無責任である。
東京駅のホームが乗客で大混雑してしまう、という点も、改札外に誘導し、説明を求める客には改札付近で説明する形にするなどで対応できるのでは。
その辺のオペレーションだって、平時から想定してマニュアル化しておくだけの話。
おそらく、こういう事態での具体的な社員の行動規範は存在しないのだろう。
運行技術の向上には熱心だが、泥臭いところは目を背けるような会社/社風が透けて見える。
少なくとも、乗客がホームや駅前で何時間も待ちぼうけするような不毛な事態は避けたい、という姿勢は会社(経営層の発言や行動)からは感じられないのが残念だし、不信感を抱く。
■本当に全面運休しか手はないのか?
JR西日本が先鞭をつけた計画運休、すっかり定着しました。
乗客への自制と覚悟を求める、という点で大きな効果があったと言えますね。
鉄道会社も乗客も、長時間の車内閉じ込めを回避できる点は大きなメリット。
ただ、東海道新幹線の全面運休、は安易に発動しすぎと感じるのはわたしだけ?
昨年のお盆3日間大混乱を含め、JR東海の対応はあまりにもお粗末、何も考えていないように思えちゃいます。
以下、今回の台風10号対応として、運行を継続するという観点で考察します。
まず、最高速で走ること、言い換えると、通常ダイヤでの運行、に固執しすぎなのでは?
目視走行を見据えて在来線と同じ130キロに抑えれば、運行できるのではないでしょうか。
在来線と違い、踏切もなく、倒木の心配も少ないし、直線で見通しがよいし、130キロ走行でも安全を担保できるのでは。
実際、昨年のお盆も先日の台風7号でも、倒木など走行に支障がある災害は、東海道新幹線では発生していません。
いっそのこと「非常時運行」を宣言して、
「早くても5時間かかるけど運行を続けるし、本数は少なくなるので、覚悟して利用して欲しい。」
「通常なら1時間当たり○○人輸送できるが、非常時運行なので半分しか運べません。」
とサービスレベルを明確に示すというやり方もありでは。
今できることを明確にすることで、代替経路との比較選択情報を乗客に提示でき、乗客が不毛な時間を改札前で過ごすことは避けられるはず。
次に、規制雨量にどの程度の根拠とどんなリスクがあるのか?
正直なところ、走行設備の安全性が高い東海道新幹線において、雨量で運行規制が掛かる理由がわからない。
晴天時においても、巡行時、有視界での危険回避は、ほぼできないに等しいですよね。
今一度、抜本的に、規制雨量のありかたを科学的に検証して見直すべきです。
最初の項目とも関連するが、停車できる列車間隔を保持することを念頭に置けば、全面運休するまでもないのでは。
合わせて、定時運行にこだわらず、所要時間が○○分増えることを包み隠さず乗客に伝えることの方が信頼感は高まるでしょう。
また、のぞみ高密度運行の管理技術を、こういう時に応用すれば、運行する本数を最大限にできるのではないでしょうか。
最後に、事前の危機想定が甘すぎる!
情報収集や分析に手間が掛かるとはいえ、混乱に至った事案にしっかり向きあい、次の障害発生時に活用することを真剣に考えてもらいたいです。
何度も同じ轍にはまるのは、無策、無責任と言わざるを得ません。
・東京新大阪全線の全列車の運行をシミュレートするツールの作成と活用。
・運行を続ける方向での対応ガイドラインの策定。
・災害危険個所の明確化と対策工事の実施。
・二の矢三の矢、七の矢八の矢、の事態を想定したプランの検討とシミュレーション。
・何より、それらを迅速に判定して実施できる仕組みと組織の整備。
・乗客や報道機関への情報提供時、具体的に起きることを例を示して提示。
今回のJR東海の対応を見ていると、リニア中央新幹線の建設において顕在化しつつある工事中の事故の多さや起きうる事象の検証不足など、危機管理が甘すぎるように思えます。
以上です☆