2020年7月球磨川氾濫で被災されたみなさま、お悔やみ申し上げます。
先日、九州訪問の機会があり、2020年7月球磨川氾濫被災から約1年後の状況を視察してきました☆
■被災から1年経った復旧の様子
2021年5月末頃、肥薩線山線沿いに人吉市までさかのぼりました。
被災範囲の広さ、被災状況の深刻さ...想像をはるかに超える状況に言葉を失いました。
- 土砂が積もったままの肥薩線のレール。
- 半分流され半分残った第二球磨川橋りょう。
- 駅舎だけが残りレールがなくなった坂本駅。
- 閉鎖されたままの鉄筋コンクリート造りの建物。
- 濁流に家財一切流され被災したまま残る家屋。
- 最下部がえぐられいつ崩壊してもおかしくない球磨川護岸壁。
...こんな光景が人吉市まで延々と続きました。
その、肥薩線最大の街人吉市でさえ、未だに被災した建物がそこここに残ったまま。
■肥薩線川線の今後
今回の視察で、肥薩線川線の復旧はかなり厳しい、と率直に思いました。
ざっと見た限り、かつ、単純に肥薩線に絞ってですが、
- レールの土台や地盤が流出した個所はおそらく半分以上。
- レール上の土砂堆積はほぼ全域。
- 鉄道橋りょうは流出したり破損がはげしい。
- 駅舎や保安設備はほぼ使えない。
という状況。
土地取得済み&鉄道免許取得済みという点を除けば、新線建設に等しい労力が必要。
それ以前に、球磨川の治水方針や方策はまったく決まっておらず、肥薩線再建することは事実上不可能。
こんな状況下、JR九州だけに再建を急がせる声も一部ありますが、的外れな話です。
せめて、球磨川上流域に治水ダムを建設しておけば、復旧への道筋は早かったはずですが...後の祭りとはこのことですね。
ブームに乗った脱ダムやらダムを使わない治水やらの帰結とでもいいましょうか。
確かに、自然保護も重要でしょうけど、人命尊重や財産保護はそれよりも重い、はず。
100年川清、とはよく言ったものです。
もともとの意味はちょっと違いますが、治水にも当てはまる、先人の経験則...温故知新。
こんどこそ、目先の感情論ではない、ちゃんとした治水の知見に基づき、ダム建設を含めた検討と対応をしてもらいたいです。
返す返す、球磨川上流にダムがなかったことも含め、治水無策だったことが残念です。
と、書いている今も、球磨川流域に線状降水帯で氾濫のキケン、とニュース映像が...
以上です☆