久々にやらかしましたね、JR東日本☆
状況詳細を見たところ、一歩間違えば大惨事に...
■事故発生時の状況を考察
8/6付で発表された8/5発生した事故のJR東日本公式情報によると、発生場所は以下。
・藤沢から大船間を走行中、大船駅ホームからかなり手前。
・大船駅構内進入してすぐにある変電所前辺り。
駅手前だからブレーキを掛けて減速中...と言いたいところですが、違います。
JR東日本東海道線での停車駅速度制御は以下のパターン。
・藤沢から大船間はほぼ最高速度で走行。
・大船駅は構内がだだっ広い(ホームまで1km以上)ので惰性走行で構内進入。
・構内途中のカーブで自然減速し、惰性走行。
・ホームに差し掛かった時点でフルブレーキ。
なので、発生場所は構内進入直後付近なので、速度は80-100km/hくらいだったでしょう。
15両編成の電車が80km/hで走行中、コンクリートの塊に衝突!
脱線せずに済んだのは、発生場所付近が、平坦の直線区間でカントもほぼなしだったから。
もし、あと500m先(2-3秒後)のカントのあるカーブ区間だったら...想像しただけでぞっとします...
■原因の推測
JR東日本が公表した資料に掲載されている各種損傷状況写真だけでは、事故発生直前の様子はまったく不明です。一方で、原因や現場の情報がほとんどない中、各報道のほとんどで、
・垂れ下がっていた架線に引っ掛かった
と記事にしている点は気になります。
とにかく、現時点でわかっていることは、
・走行中の9974Eが電化柱にぶつかった。
ことだけです。
資料とGoogleMapsを見てて気になったのは、現場の架線が複雑に入り組んでいる点。
・衝突した電化柱は上下渡り線架線用で、本線用ではない。
・電化柱は上り線線路わき北側にある。
・電化柱は南から配線された支線用架線を3本も支えている。
・支線用架線は東海道線本線をまたいで配線。
この状態で電化柱が折れたり抜けたりすれば、
・南側に引っ張られて線路側に傾く。
・車両がぶつかる。
のは当然ですね。
一方、当日、1-2分前に下り列車(※)が同じ場所を逆方向へ走行しているのに、通過。
※大船駅21:21発快速国府津行で、事故現場を大船駅発車後1分以内に通過。
※もしこの時点で電化柱が折れていたなら、下り線上にも架線が垂れ下がっていたはず。
事故発生は21:24なので、この1-2分の間に電化柱が折れてしまう何かが起きた...
ひょっとして、下り列車が垂れ下がっていた架線を引きずって、電化柱を倒しちゃった可能性も...
この2つの列車のドライブレコーダを再生すれば、すぐに発生状況と原因は明確になるでしょう。
■事故後の対応の考察
これ、非常にお粗末としかいいようがない!
事故発生から乗客の誘導開始まで1時間以上かかってるんですね~(@_@)
事故列車への救護活動や対応開始までに1時間も掛かってる時点で「失格」!
危機感が足りなすぎでしょ!
加えて、架線が切れちゃったから停電。
・車内は真っ暗。
・冷房停止。
・車内放送もままならず、情報も提供せず。
真夏の冷房なしの車内に長時間閉じ込められたのに、負傷者や救護者が数人しか出なかったのは不幸中の幸い...というよりちょっと違和感。
JR東日本の救護対応が「消極的」「場当たり的」だった可能性が高いですね。
本当は救護して欲しいけど、誘導しかしないから、どうしていいかわからない。
また、最早の「脱出者」でも既に23時近く、ほとんどの乗客が列車を脱出できたのは日付が変わった頃。
さらに運転再開は、
・京浜東北線が02:46
・横須賀線が04:17
・東海道線が08:00
で事故発生から5時間以上も足止めって、あり得ない!
JR以外の鉄道はないし、タクシーは長蛇の列、バスも動いていない、で不安しかなかったんじゃないでしょうか、乗客のみなさんは。
当日現地、駅ではなく最寄りの「踏切」から脱出した乗客向けに、バスへの振替輸送の手続きや代替交通手段利用時の説明や告知がなされていたのかも疑問ですし。
■JR東日本「失格」
事故が発生した点、事故発生後の対応の遅さ、何れも「失格」!
利益優先主義で、地道な保守/リスク管理/事故発生時の対応計画および訓練、をないがしろにしているJR東日本の経営体質が今回の事故で明白になりましたね。
■参考-事故発生からの時系列
21:24 東海道線 9974E(小田原発横浜行)が藤沢~大船間走行中、電化柱と衝撃
22:24 駅間に停車した列車のお客さま降車案内を順次開始
(東海道線6本、横須賀線4本、京浜東北・根岸線3本)
02:17 復旧作業着手
損傷した電化柱・架線等の撤去及び調整作業開始
02:45 駅間に停車したすべての列車の降車案内終了
02:46 京浜東北・根岸線運転再開
04:17 横須賀線運転再開
04:42 当該列車の車両点検開始
05:20 復旧作業完了
05:39 送電開始
06:37 当該列車の車両点検終了
07:12 当該列車のみ運転再開
08:00 東海道線全面運転再開
※出典:「東海道線 大船駅構内 列車と電化柱が衝撃した事象について」2023年8月6日東日本旅客鉄道株式会社 横浜支社
以上です☆