株式の配当および株式譲渡益に関する課税方式に関して調査した時のメモ☆
前提:主な収入は会社からの給料、株を源泉徴収あり特定口座で取引。
■情報株の配当金に掛かる税金の種類
株式の配当と株式譲渡益に掛かる税金には、所得税と住民税がある。
それぞれの課税方法として、源泉分離課税と総合課税がある。
そして、所得税で選んだ課税方式が、自動的に住民税の課税方式となる。
ところが、平成29年に法律が変わり、平成30年度に支払う住民税の課税方法を選択できるようになった。
例えば、課税方式を、所得税は総合課税、住民税は分離課税、と別にすることが可能に。
■分離課税と源泉徴収あり特定口座
株式を、源泉徴収ありの特定口座で取引(売買)している場合、株の売り買いで生じた損益と配当金は証券会社が自動的に源泉徴収してくれる。
源泉徴収ありの特定口座での税金計算は、給料とは関係なく取り扱われる。
これが分離課税。昔は源泉分離課税って呼んでたような気がする^^;
分離課税で源泉徴収される税率は、ざっくりと所得税15%、住民税5%。
■総合課税にして所得税を返してもらう(所得税の還付)
給料で源泉徴収されている税金の実質税率が15%未満だった場合、税務署で総合課税として確定申告すれば、分離課税で払いすぎている所得税が戻る計算(所得税の還付)。
例えば、実質税率が6%なら、分離課税の所得税率15%との差9%分の所得税が戻る。
上記を例にして、配当金が年5万円だったら、3500円戻る。
5万円×0.15=7500円
5万円×0.06=3000円
7500円-3000円=3500円
但、実際には複雑な計算式で求められるので、あくまでも概算。
なお、実質税率は、国税庁が公開している「所得税の税率」ではない。
実質税率の最も単純な求め方は、源泉徴収票の
「源泉徴収税額」÷「給与所得控除後の金額」×100
となる。
また、国税庁サイトに掲載されている「所得税の速算表」から求められる税額は、保険料や配偶者などの控除が考慮されていないため、おおむね、実際に源泉徴収される税額より多めとなる。
ちなみに速算表の「課税される所得金額」 は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」。
■住民税は分離課税のままにしたい→「不申告を申告する」
一方、配当金の住民税は要注意。
住民税は総合課税は10%(正確には配当控除により7.2%)、分離課税は5%。
確定申告し所得税で総合課税を選択した場合、何もしないと住民税は総合課税用の税率が適用され、分離課税用の税率より高いので、余計に住民税を支払う羽目に。
なので、住民税に関しては、所得税で選択した総合課税ではなく、分離課税のままにしておきたい。
こうするために行う手続きが住民税の「不申告を申告する」。
具体的にどういうこと?
(1)既に、源泉徴収あり特定口座では分離課税で所得税を納税済み。
(2)配当金については確定申告で総合課税での納税に切り替えた。
分離課税の15%から実質税率以下(15%未満)の差分、税金が戻る(還付)。
(3)確定申告の結果が税務署から自治体へ通知され、自治体は配当金の課税方法を所得税と同じ方法で課税しようとする。
このため、配当金に掛かる住民税の税率が分離課税の5%ではなく総合課税の10%(7.2%)で計算される。
なので、(3)の住民税については、確定申告で選択した総合課税ではなく、確定申告前の分離課税のままにしてね、と自治体に伝える必要があるということ。
つまり「不申告」とは、所得税は確定申告で変更したが、住民税は元々の課税方式のままにしたいので変更しない=税務申告しない、という意味。
一方、役所に何かを届け出る行為を一般に「申告」 と呼ぶため、「不申告を申告する」という文章になってしまうわけ。
つまり、確定申告とは別に、市町村の税務担当課へ行く必要があるということ。
確定申告は、eTAXのおかげで税務署へ行かなくて済むようになったのにな~(+_+)
■補足-住民税は後払い
所得税と違い、住民税には還付はない。
前年度の収入に対する税金を、今年度徴収する仕組みだから。
なので、住民税額は毎年6月頃決まり通知が来、6月から翌年5月までがひとくくり。
したがって、「不申告を申告する」のは住民税が決まる前までに役所へ。
具体的には、年初「年間取引報告書」が届いてから6月までに。
役所への届け出書式や要件を見ると、提出するのは年間取引報告書のコピーのみ、確定申告の状況はノーチェック。
■補足-上場株式等の譲渡の課税方法
配当金と違い、こちらは総合課税にはできない。
年初に証券会社から届く年間取引報告書でも、上場株式の譲渡と配当金は別項に記載されている。
■お断り
この文面に書かれている内容は自分の考えを交通整理するためのものですので、うのみにしないでください。
各種税額や還付および手続きや根拠はご自身でお調べください。
以上☆