先日、某大手新聞の投書欄に身分証明書類に関する意見が掲載されていました。
要旨としては、
自動車運転免許証だけが身分証明書類として偏重されているのは納得できない。
パスポートは他の書面とセットじゃないとダメなのはおかしい。
仕方ないので住民票の写しを取得して提出した。
でした。
気持ちはわからなくはないですが、それなりのバックグラウンドがあっての慣行や行政機関からの通達の基づいているので、八つ当たり的な気はしなくもないなぁと感じました。
身近で最も信頼度が高く、法的な証明となるのは、住民票、なので。
■パスポートの住所欄は自署
パスポートの住所欄は、空白でも何ら問題ないんですね。
受け取ったパスポートの住所欄には何も印字されていないし、記載もないんです。
外務省の公式サイトでも、
引っ越したら、取り消し線を引き、空いている場所に引っ越し先を自署してよい。
引っ越しても、届け出の必要はない。
旨、掲示されています。
一方、パスポートの申請時には戸籍抄本を提出するのですが、この時行政サイドが確認するのは日本国籍があるかどうか=戸籍があるかどうか、だけ。
現在の住所については、法律上、チェックされることはないわけです。
つまり、パスポートでは現住所の証明はできない、という帰結です。
国内で身分証明が要求される場面では、現在の住所、が重要なためパスポートだけでは証明にならないのは当然です。
重々しい証明書ではあるのですが、日本の国内においては、身分証明書としての価値はないに等しい書面なんです。
加えて、国外では、日本への不法入国手段として高い価値があるので、裏社会的には目を付けられやすく、できれば持ちたくない書面です。
■自動車運転免許証はどうなの?
自動車運転免許証(以下、免許証)は、取得時に住民票を提出します。
加えて、免許証には比較的短めの有効期限があり、かつ、現住所がある都道府県内でしか更新手続きができません。
また、いずれの場合でも、交付当日に撮影されるので顔写真も更新されます。
このような背景を考えれば、身分証明としてはかなり精度が高いのではないでしょうか。
もちろん、法の目をかいくぐって悪用しようとすればできてはしまいます。しかし、パスポートや健康保険証のように自署は認められていないし、有効期限が短め(=情報が更新される)、捜査権限がある警察が管轄している、など他の証明書類よりは信頼性が高いと言えます。
住民票を取得するために役所に出向いて手数料払ったり、提出された住民票の管理の手間、を考えれば、免許証での身分証明はお互いにメリットがあります。
ただ、昨今の免許証更新時の警察職員の対応を見ていると、昔ほど厳格でなくなっている点は気になります。一例:写真と来訪者の風貌の確認...以前は髪色ややせ/太りを来訪者とを厳格に照合、など。アホな人権主義者(水商売系/報道関係者がほとんど)が「セクハラ」とか言い出して騒ぎを起こすから、というのが理由らしいですが、そういう方にはお引き取り願えばいいだけの話。だって、約束やルールを守れない社会常識がないヒトに「免許」する必要はないのですから。仲良しグループではないので、そこは厳格にやって欲しいところです。
一方で、厳格すぎるのも困ってしまうので、助かってる面はあるんですけど(^^)
■住民票信用できる?
偽造の可能性という点では、住民票だってアヤシイものです。
役所への届け出の際、窓口来訪者の身分を証明するものとして「免許証」が認められていますもんね。
ニワトリが先かタマゴが先か...^^;
ということは、一度、住民票変更の届けが受理されたら(=乗っ取られたら)、以後、公的機関のルーチンでは不正を見抜くステップがないということです。
だから、犯罪行為の捜査が入らない限り、発覚しないということになります。
また、社会構造の変化で、住所を転々とするような働き方や生き方が広がりつつあり、役所としても対応に苦慮している(=確認の手間が掛かってしまう)部分も見受けられます。
ひと昔前頃から、特に発行件数が多い都市部で、役所の窓口での確認作業が形骸化しているので、不正な届きを見抜くことはなかなか難しくなりつつあり、コワいと感じます。
だって、窓口の人、免許証番号と現住所は照合してるけど、顔写真と本人の顔を見比べてないですから^^;
以上です☆